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Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの年会費が、49,500円から82,500円になりました。1.67倍です。
この改定を受けて「解約すべきか」という相談をよく見かけるようになりました。ただ、実際に条件を並べて計算してみると、いちばん痛いのは年会費の値上げではありませんでした。
この記事では、2026年の改定で何がどう変わったのかを事実ベースで整理して、自分が持ち続けるべきかどうかを判断するための材料を並べます。あわせて、2026年7月に発表されたJALとの提携についても、誤解されがちな点を書いておきます。
まず、何がどう変わったのか
すべてアメリカン・エキスプレス公式ページの記載です。
プレミアム・カード
| 項目 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 年会費 | 49,500円 | 82,500円 |
| 家族カード2枚目以降 | 24,750円 | 41,250円 |
| 無料宿泊特典 | 年間150万円で50,000ポイント | 年間400万円で75,000ポイント |
| 公共料金・税金 | 200円3ポイント | 200円1ポイント |
| 事業用決済 | ポイント対象 | ポイント対象外 |
| プラチナエリート条件 | 年間400万円 | 年間500万円 |
| ゴールドエリート | 入会で自動付与(変更なし) | |
年会費の改定は2025年11月21日ご請求分から、無料宿泊特典とポイント還元の変更は2025年10月28日から、プラチナエリート条件は2026年1月1日からの適用です。
一般カード
| 項目 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 年会費 | 23,100円 | 34,100円 |
| 家族カード2枚目以降 | 17,050円 | |
| 無料宿泊特典 | 年間150万円で35,000ポイント | 年間250万円で50,000ポイント |
| ゴールドエリート | 年間100万円の利用が条件 | 入会で自動付与 |
一般カードには、新規入会時とカード更新時に5泊分の宿泊実績が付きます(プレミアムは15泊分)。
本当に痛いのは年会費ではなく「無料宿泊の条件」
年会費は1.67倍になりました。ただ、それ以上に効くのがこちらです。
- 改定前:年間150万円の利用で、50,000ポイントまでの無料宿泊
- 改定後:年間400万円の利用で、75,000ポイントまでの無料宿泊
ポイント上限は5万から7万5千に増えていますが、そこに到達するために必要な決済額が2.67倍になりました。年間150万円は「意識すれば届く」金額です。年間400万円は、生活の決済をほぼすべてこのカードに寄せてようやく、という水準になります。
つまりこの改定でいちばん影響を受けるのは、年会費82,500円を払える人ではありません。年間400万円に届かない人です。年会費が1.67倍になったうえに、その年会費を回収するための主要な手段が消えたことになるからです。
決済額を積む経路も、同時に細くなりました
見落とされがちなのですが、この改定はセットで見る必要があります。
公共料金・税金が200円3ポイントから200円1ポイントになりました。ふるさと納税や自動車税、固定資産税をこのカードでまとめて払っていた人は、その部分の還元が3分の1です。年間100万円を税金・公共料金で決済していたなら、15,000ポイントが5,000ポイントに減ります。
さらに事業用決済がポイント付与対象外になりました。個人事業主や法人役員の方で、事業の支払いを乗せて決済額を積んでいたケースでは、この経路が閉じています。
「年間400万円」という条件は、この2つの変更と合わせて考えないと見誤ります。決済額の見かけが去年と同じでも、獲得ポイントは落ちている可能性があります。判断する前に、直近12か月で実際に何ポイント貯まったかを確認してみてください。
逆に、改善された点もあります
改悪ばかり報じられていますが、ひとつ明確に良くなった部分があります。
一般カードのゴールドエリート資格が、入会で自動付与になりました。以前は年間100万円の利用が条件でしたが、今は無条件です。
これは考え方を変える変更です。つまり年会費34,100円を払えば、決済額に関係なくマリオットのゴールドエリートが手に入るということになります。ゴールドエリートの実利はレイトチェックアウト(14時)と客室のアップグレード、ボーナスポイント25%あたりですが、これを1泊あたり4,000円程度の価値と見るなら、年8〜9泊で年会費に見合う計算になります。
プレミアムを持ち続けるか解約するか、という二択で考えている人が多いのですが、実際には「一般カードに切り替える」という三択目があります。そしてこれが、かなりの人にとって最適解になり得ます。
JAL提携で何が変わって、何が変わらなかったのか
2026年7月14日、Marriott BonvoyとJALが戦略的パートナーシップを発表しました。相互のステイタスマッチです。
Marriottのエリート資格に応じて、JALのFLY ONポイント(FOP)が毎年自動で付与されます。
| Marriottのエリート資格 | 年間付与されるFLY ONポイント |
|---|---|
| 一般会員 | 2,000FOP |
| シルバーエリート | 5,000FOP |
| ゴールドエリート | 10,000FOP |
| プラチナエリート | 20,000FOP |
| チタンエリート | 30,000FOP |
| アンバサダーエリート | 40,000FOP |
前述のとおりゴールドエリートは一般カードでも自動付帯するので、年会費34,100円のカードを持っているだけで、毎年10,000FOPが手に入ることになります。これが「カードを持つだけでJALの上級会員に近づける」と話題になっている理由です。
ただし、JGCの新規入会には使えません
ここが最も誤解されている点です。結論から書きます。
- 「マリオットアメックスを持てばJGCに入れる」 → 入れません
- 「マリオットアメックスを持てば、その年のJALステイタスが取りやすくなる」 → これは本当
理由は制度の構造です。JALグローバルクラブ(JGC)の入会資格は、数年前にFLY ONポイント基準からJAL Life Statusプログラムに移行しました。現在はLife Statusポイント1,500ポイントへの到達が入会条件です。
そして今回の提携で付与されるのはFLY ONポイントであって、Life Statusポイントではありません。名前は似ていますが用途がまったく別で、Life Statusポイントの付与については発表の中に記載がありません。
JGCは一度入れば生涯ステイタスに近い扱いになる資格なので、そこを目的にカードを維持しても空振りします。この区別がついていない解説記事がかなり出回っているので、注意してください。
一方で、その年のFLY ONステイタス(クリスタルやサファイア)を狙う人にとっては本物の追い風です。ただしJALのステイタス基準には「うちJALグループ便で何ポイント」という下限が必ず設定されているので、10,000FOPがそのまま丸ごと効くわけでもありません。ここは数字で確認しないと判断できない部分です。
自分はどっちなのか、3つの質問で仮判定
厳密な損益は決済額によって変わりますが、方向性だけなら次の3つで見当がつきます。
- 年間400万円を、公共料金と事業用決済を除いて決済しますか?
する → プレミアムを持つ意味があります。しない → プレミアムである必要はほぼありません。 - マリオット系ホテルに年8泊以上しますか?
する → ゴールドエリート目当てで一般カードを持つ価値があります。しない → カード自体を持つ理由が薄くなります。 - 毎年JALに乗って、クリスタルやサファイアを狙っていますか?
狙っている → 10,000FOPのために一般カードを持つ、という判断が成立します。
3つとも「いいえ」なら、正直このカードを持ち続ける理由は見つけにくいと思います。ポイントの使い道がマリオット宿泊か航空マイル移行しかないため、ホテルに泊まらないとポイントが死蔵されるからです。
で、実際いくらから得なのか
ここから先が本題で、そして手間のかかるところでした。
「年間400万円が目安」と書きましたが、では399万円と401万円で本当に結論がひっくり返るのか。一般カードに落とすとして、いくらまでなら一般カードのほうが得なのか。ポイントを1ポイント何円で数えるかによって答えは変わらないのか。
気になったので、年間決済額100万円から800万円まで、一般カードとプレミアムの収支を全部計算しました。ポイント価値も0.7円・1.0円・1.2円の3通りで並べて、前提を変えても結論が動かないかを確認しています。
先に、無料で読める範囲の結論をひとつだけ書いておきます。
年間400万円に届かないなら、プレミアム・カードより一般カードのほうが「常に」得でした。
ポイントを0.7円で評価しても、1.0円で評価しても、1.5円で評価しても、結論は変わりません。前提をどう動かしても一般カードが勝ちます。
さらに言うと、400万円ちょうどでもまだ足りない場合があります。保守的にポイントを0.7円で見ると、400万円時点では一般カードのほうがまだ有利で、逆転するのはもう少し上でした。「無料宿泊のために400万円ちょうどを狙う」という調整が、プレミアムにおいてはあまり意味を持たないということです。
決済額別の収支表、3つの損益分岐点の正確な数字、持つべき人5パターンとやめるべき人4パターンの分類、JAL提携のFOPがJALのステイタス基準とどう噛み合うのかの検証、ヒルトンとの条件比較、そして解約する場合に先にやっておくことまで、noteにまとめています。
noteの内容(500円)
- 年間決済額別の収支シミュレーション(100万円〜800万円 × ポイント価値3通り)
- 3つの損益分岐点(一般が黒字になる額/プレミアムが一般を上回る額/プラチナ狙いの分岐点)
- JAL提携の正確な中身。JALグループ便のFOP下限と突き合わせた「本当に使えるのか」の検証
- 持つべき人5パターン・やめるべき人4パターン
- 「いくらまでマリオットで、それ以上は別カードか」への直接の回答
- 乗り換え先として現実的なカードとの数値比較
- 解約する場合に先にやっておくこと(無料宿泊、ポイント、タイミング)
- 確認できなかった項目の開示
マリオットアメックス、年会費8.25万円になった今も持つべき人・やめるべき人|JAL提携込みで損益分岐点を計算した【2026年版】(note・500円)
数値はすべて、アメリカン・エキスプレス公式、JAL公式、Marriott公式のページから直接取っています。公式で確認しきれなかった項目は、記事の最後にまとめて開示しています。
まとめ
2026年の改定を一言でまとめると、年会費が上がったこと自体より、無料宿泊の条件が年150万円から400万円に動いたことのほうが重い、という内容でした。加えて公共料金・税金の還元が3分の1になり、事業用決済が対象外になったので、決済額を積む経路も同時に細くなっています。
一方で、一般カードのゴールドエリートが無条件付帯になったのは明確な改善です。「プレミアムを続けるか解約するか」ではなく、「一般カードに落とす」という選択肢を先に検討したほうがいい人が多いはずです。
JAL提携は本物のメリットですが、JGCの新規入会には使えません。ここだけは間違えないようにしてください。
まずは、直近12か月のカード利用額と、この1年でマリオット系に何泊したかを確認するところからだと思います。その2つの数字が出れば、判断はほぼ決まります。
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参考にした公式情報(2026年8月確認)
- アメリカン・エキスプレス「既存会員様向け【サービス改定】Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」
- アメリカン・エキスプレス Marriott Bonvoy 各カードの公式ページ、およびエリート会員資格のページ
- JAL「Marriott BonvoyとJAL、旅行体験のさらなる向上に向けて戦略的パートナーシップを締結」
- JAL「ステイタスプログラム」および FLY ON ステイタス基準


