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関空からスクートで、幼児を連れてシンガポールへ行ってきました。
結論から言うと、シンガポールは子連れ海外旅行のなかではかなり「楽な部類」です。英語表記が徹底していて、街は清潔で、MRTはベビーカーのまま乗れます。KLOOKで主要なチケットを先に押さえておけば、現地で長時間並ぶ場面はほとんどありませんでした。
ただし一点だけ、日本人がまず知らない落とし穴があります。シンガポールでは、幼児が乗れる車の種類が法律で決まっています。しかもその扱いが、普通のタクシーと Grab(配車アプリ)で正反対です。ここを知らずに行くと、チャンギ空港の到着ロビーで固まることになります。
この記事は、実際に関西発で行ってみて「これは出発前に知っておくべきだった」と思った項目だけを、必要な順番に並べたものです。
まず結論:シンガポール旅行の必須チェックリスト
| タイミング | やること | ひとこと |
|---|---|---|
| 予約するとき | KLOOKで入場券・送迎を確保 | 当日窓口より安く、並ばない |
| 出発3日前〜 | SGアライバルカードを提出 | 無料。家族まとめて出せる |
| 荷造りのとき | 電子タバコ・加熱式タバコを抜く | 持っているだけで違法 |
| 出発前 | 幼児の移動手段を決めておく | 本記事の最重要ポイント |
| 到着直後 | 手持ちのタッチ決済カードでMRTに乗る | 交通カードの事前購入は不要 |
| 現地 | 現金はほぼ使わない | チップの習慣もなし |
以下、順番に中身を書いていきます。
【最重要】幼児連れは「タクシー」と「Grab」で法律が違う
シンガポールは身長1.35m未満にチャイルドシートが義務
シンガポールの道路交通法(Road Traffic Act 1961)とシートベルト規則に基づき、身長1.35m未満の乗客は、承認されたチャイルドシートやブースターなどの拘束装置を使わなければならないと定められています。
罰則は軽くありません。違反点数3点に加えて反則金S$150、裁判になった場合は最大S$1,000または禁錮3か月、再犯ならさらに重くなります。
ところが、タクシーは法律で適用除外
ここが日本人にはわかりにくいところです。シンガポールのLTA(陸上交通庁)は公式に、タクシーはこの規則の適用除外だと説明しています。理由は「タクシーは流しで拾えるから」。道端で手を挙げて乗る乗り物に、乗る前からチャイルドシートを用意させるのは現実的でない、という整理です。
一方、Grabなどの配車車両は除外されない
同じLTAの説明はこう続きます。配車車両(private hire car)はすべて事前予約制なので、家族はチャイルドシートや大きい車両が必要なことを予約時に伝えられる——だから除外する理由がない、と。
つまり、乱暴にまとめるとこうなります。
- 普通のタクシー(ComfortDelGro、CityCabなど)… 幼児をチャイルドシートなしで乗せられる
- Grabの通常車種(JustGrab、GrabCarなど)… 本来は拘束装置が必要
日本の感覚だと「配車アプリのほうが安心そう」ですが、幼児連れに関してはむしろ逆、というのがシンガポールの制度です。
GrabにはGrabFamilyという選択肢がある。ただし穴がある
Grabは「GrabFamily」という、チャイルドシート付きの車を呼べるサービスを用意しています。Grabシンガポールの公式ページにはこう書かれています。
GrabFamilyは、1〜7歳・身長1〜1.35mの子どもにのみ適しています。
生後12か月未満の赤ちゃんと乗る場合は、乳児用に設計・承認された拘束装置をご自身でお持ちください。
Grab Singapore 公式サイト(筆者訳)
実際に用意されている座席は年齢帯で分かれていて、4〜7歳には mifold のブースターシート、1〜3歳には IMMI GO のチャイルドシートが使われます。ドライバー側の研修も別物で、mifoldを持つドライバーが自動的に1〜3歳の依頼を受けられるわけではありません。
ここが幼児連れにとってモヤっとする部分です。制度としては1〜3歳もカバーされているのに、Grab公式サイトの車種一覧に載っている子ども向けの選択肢は「Kid|4 seater (age 4-7)」だけで、1〜3歳向けが独立した項目として並んでいません。1〜3歳の枠組みは主にドライバー募集ページ側で説明されている状態です。
では幼児連れはどうすればいいのか
| 手段 | 幼児(〜3歳) | 実務メモ |
|---|---|---|
| 普通のタクシー | 法律上そのまま乗れる | 空港・ホテル・モールのタクシースタンドが確実。深夜やピーク時は割増あり |
| Grab 通常車種 | 本来は不可 | 自分で拘束装置を持ち込むなら可 |
| GrabFamily | 制度上は1歳から | ただし車種一覧に出ているのは4〜7歳向け。1〜3歳向けは呼べるとは限らない |
| 携帯型チャイルドシート持参 | もっとも確実 | 折りたたみブースターやトラベルベストなど。荷物は増える |
| MRT・バス | 問題なし | 身長0.9m以下は大人同伴で無料。ベビーカーのまま乗れる |
つまり幼児連れの実務的な結論は、「GrabFamilyは呼べたらラッキー、呼べない前提で計画を立てる」ということになります。存在しないわけではないけれど、当てにして到着ロビーで待つ類のものではありません。
私自身の運用は、空港からと荷物が多い日はタクシースタンド、それ以外はMRTでした。結果的にこれが一番ストレスがなかったです。Grabは大人だけで動く日や、子どもが4歳を超えてからのほうが素直に使えます。
ちなみに、この「タクシーとGrabで違う」はシンガポールだけです
気になったので、アジア8か国の法令を全部調べました。結論を先に言うと、タクシーと配車アプリで扱いが割れているのは、調べたなかでシンガポールだけでした。マレーシア・タイ・ベトナム・フィリピンは両方まとめて義務の対象外で、台湾は条文が「營業小客車」を名指しで除外、そしてそもそもチャイルドシートの法律が存在しない国もひとつあります。日本人に人気の旅行先です。
各国の根拠法・年齢や身長の基準・罰則額・配車アプリ側の対応状況までまとめた比較記事をnoteに置いています(300円)。政府や法令データベースの一次情報だけを使い、確認できなかった項目は「確認できなかった」と正直に書いています。アジアのどこかに子連れで行く予定があるなら、毎回ゼロから調べ直す手間を省けるはずです。
子連れでGrabに乗れる国、乗れない国|アジア8か国のチャイルドシート法規制をぜんぶ調べた【2026年版】(note・300円)
※ここに書いた内容は2026年8月時点で各公式サイトを確認したものです。規則も車種の提供状況も変わりますし、時間帯やエリアによって呼べる車種は変動します。出発前にGrabアプリで、実際にGrabFamilyの選択肢が出るか一度確かめておくと安心です。
SGアライバルカードは「到着3日前から・無料」
シンガポールに入国する人は、SGアライバルカード(SGAC)と電子健康申告の提出が必須です。入国審査を通らない乗り継ぎと、陸路で入る居住者だけが例外になります。
- 提出できるのは到着日を含む3日前から(6月30日着なら6月28日から)
- 完全に無料。ICAは「有料の代行サービスは推奨しない」と公式に明記しています
- 提出は公式のSGAC e-Service、またはMyICAアプリから
- グループ提出機能があり、家族分をまとめて出せます(同じ1回の旅程を一緒に行く人に限る)
- 健康申告とセット。虚偽申告は感染症法で訴追の対象になります
「SGアライバルカード」で検索すると有料の代行サイトが上位に出てきますが、公式から無料で出せます。数千円払う必要はありません。
注意したいのは「3日前から」という縛りのほうです。旅行の準備を早めに終わらせるタイプの人ほど、出発2週間前にやろうとして弾かれます。出発直前のToDoに入れておいてください。
KLOOKで先に押さえておくと、現地が本当に楽になる
今回いちばん効いたのがこれです。子連れ旅行で消耗するのは移動距離ではなく「並ぶ時間」で、シンガポールは日中とにかく暑い。炎天下に30分並ぶのと、QRを見せて入るのとでは、その日の残り時間の機嫌がまるで違いました。
KLOOKで先に買っておくと差が出るのは、だいたいこのあたりです。
- テーマパーク・水族館・動物園などの入場券(当日窓口に並ばない)
- 展望施設や庭園系のチケット(時間指定のものは特に)
- 空港⇄ホテルの送迎(車種を指定できるのが子連れには地味に効く)
- eSIM/SIMカード(着陸した瞬間から地図と配車アプリが使える)
- ナイトサファリなど夜のアクティビティ(現地で枠が埋まりがち)
特に空港送迎は、幼児連れなら一度検討する価値があります。到着ロビーでタクシー列に並ぶか、名前の書かれた紙を持った人が待っているかは、旅の初速がまったく違いました。
KLOOK自体の使い方や、安く予約するコツはこちらにまとめています。
KLOOK(クルック)でアクティビティをお得に予約!タダ旅行の必須ツール
交通:交通カードは買わなくていい
シンガポールのMRT・バスは、日本で使っているVisa/Mastercardのタッチ決済カードでそのまま改札を通れます。事前に交通カードを買う必要はありません。
- タッチ決済…海外発行カードには手数料がかかる旨がSMRT公式に明記されています。数日の旅行なら誤差の範囲です
- EZ-Link/SimplyGoカード…買うなら大人用がS$10(うちS$5がチャージ済み)。駅の窓口やコンビニで買えます
- Singapore Tourist Pass…1日・2日・3日の乗り放題。乗り倒す予定があるならこちら
- バスは現金も使えますが、お釣りが出ません
子どもの運賃は「年齢」ではなく「身長」で決まる
ここも日本と違う点です。シンガポールの公共交通は身長基準です。
- 身長0.9m以下…運賃を払う大人が同伴していれば無料
- 0.9mを超えて7歳未満…無料で乗るにはChild Concession Cardが必要
- カードがない場合、0.9〜1.2mは学生/大人運賃、1.2m超は大人運賃の扱いになります
Child Concession Cardは旅行者が現実的に取るものではないので、身長0.9mを超えた子は運賃がかかると思っておけば計算が狂いません。
関空発スクート:2026年冬ダイヤで時間帯が変わります
私は関空からスクート(Scoot)で行きました。関西在住だと、乗り継ぎなしでシンガポールに着けるのはかなり大きいです。
ただし2026年10月25日からの冬ダイヤで、関空〜シンガポール線のダイヤが変更されます。
- TR813 関空 11:30 発 → シンガポール 17:30 着
- TR812 シンガポール 03:05 発 → 関空 10:15 着
往路が昼発になったのは子連れにはありがたい変更です。朝からバタバタせずに関空へ向かえます。
問題は復路が深夜3時発だという点です。幼児連れだと、チェックインまでの夜をどう過ごすかを先に決めておかないと確実にしんどくなります。最終日の宿を空港近くにする、あるいはレイトチェックアウトを取るなど、予約の段階で対策しておくことをおすすめします。
またスクートはLCCなので、受託手荷物・座席指定・機内食はすべて別料金です。ベビーカーの取り扱いや幼児運賃の条件は、予約時に必ず確認してください。
※関東発の方へ:スクートは羽田〜シンガポール線も運航しています。この記事の内容は出発地に関係なくそのまま使えます。
荷物に入れると一発アウトになるもの
シンガポールは規制が厳しいことで有名ですが、日本人がうっかりやりがちなのは次の3つです。
- 電子タバコ・加熱式タバコ…持っているだけで違法です。販売も使用も所持も禁止。日本から何気なく持って行くと、最悪の入国体験になります
- チューインガム…持ち込み・販売が規制されています
- 紙巻きたばこ…免税枠がありません
3つ目は誤解が多いところです。シンガポール税関は「たばこ製品には免税枠(duty-free concession)もGST免除もない」と明記しています。1本目から課税対象で、申告せずに持ち込めば罰金です。「1カートンまでOK」という感覚は通用しません。
お酒と買い物の免税枠
- 酒類…18歳以上・国外に48時間以上滞在・マレーシアからの入国でない、などの条件を満たせば、「蒸留酒1L+ワイン1L」「ワイン2L」「ビール2L」などの5パターンから1つを選べます
- 買い物のGST免除枠…国外滞在48時間以上ならS$500まで、48時間未満ならS$100まで
短い日程だと免税枠がS$100しかない点に注意してください。
細かいけれど、地味に効くこと
- 電圧230V/50Hz、プラグはBFタイプ(角い3本足)。変換プラグは必須です。日本の家電をそのまま挿すと壊れるので、機器側が240Vまで対応しているか確認を
- チップの習慣はありません。多くの飲食店では最初からサービス料が乗っています
- 屋内の冷房が強烈です。外は蒸し暑いのに店内は寒いので、子どもには薄手の羽織りものを1枚必ず持たせてください
- 街は清潔で歩道も広く、ベビーカーで移動しやすい部類です。MRTの主要駅はエレベーターが整っています
- スコールがあります。折りたたみ傘より、さっと入れる屋内を把握しておくほうが実用的でした
保険は「出発前」にしか決められない
子連れ旅行でいちばん読みが外れるのが、子どもの体調です。そして旅行保険もキャンセル保険も、出発したあとでは入れません。
海外旅行保険はクレジットカード付帯で足りることも多いですが、「子どもの発熱でキャンセルしたときに何が戻るのか」は商品ごとにまったく違います。国内旅行を題材にした記事ではありますが、考え方はそのまま海外にも使えるので、出発前の判断材料にしてみてください。
まとめ:シンガポールは、事前に3つ決めておけば楽
全体を通して、出発前に決めておくべきことは3つに集約できます。
- 幼児の移動手段…タクシーは法律上そのまま乗れる、Grabは本来チャイルドシートが必要。GrabFamilyは4〜7歳向けで、1〜3歳の幼児はカバーされない
- SGアライバルカード…到着3日前から、公式から無料で、家族まとめて提出
- KLOOKで並ばない準備…入場券・送迎・eSIMを先に確保しておく
あとは、電子タバコを荷物から抜いて、変換プラグを入れて、薄手の羽織りものを1枚。これだけで、シンガポールは子連れでもかなり快適な行き先です。
関西発ならスクートで直行できるので、フライト時間の割に到着後の消耗が少ないのも良いところでした。
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この記事で扱ったシンガポールのルールを、アジア8か国に広げて法令ベースで比較しました。
参考にした公式情報(2026年8月確認)
- ICA(シンガポール入国管理局)SG Arrival Card 案内ページ
- LTA(陸上交通庁)メディア回答「Point-to-point services balance safety and practicality for families with young children」
- Grab Singapore 公式 GrabFamily 案内ページ
- SimplyGo 子ども運賃(Child Concessionary Fares)
- SMRT 訪問者向け運賃支払い方法
- Singapore Customs 免税枠・GST免除の案内
- スクート 2026年冬ダイヤの関空〜シンガポール線ダイヤ変更(報道)


